節税とは何か?-1 よくある間違い
よく「節税お願いします」と言われますが、
節税って何でしょうか?という記事です。
節税とは
web辞書などではこのように表現されています。
・所得控除や非課税制度を活用して税負担を軽減すること。(goo辞書)
・節税(せつぜい、Tax Saving、Steuerersparung)または租税節約とは、租税法の想定する範囲で租税負担を軽減・排除する行為である。(wiki)
調べてみると、なるほど辞書というのは正しい表現をするものだなと感心しました笑
よくある間違い①「脱税」「租税回避」との違い
wikiの引用にもありましたが、節税という場合には「租税法の想定する範囲」、
つまり法律違反をしないで税金を減らすことを指します。
これに対して「脱税」とは
明らかに・わざと、法律違反をして税金逃れをすることを言います。
典型的には二重帳簿による売上の無申告、経費の水増しなど。
また「租税回避」というのは、法律上は違反しているわけではないが、
「租税法の想定」から外れて税金を逃れることをいいます。
パナマ文書など、税金の少ない国で利益を上げて税逃れをすることが典型です。
「脱税」「租税回避」と「節税」の理解が混在している間違いは、
わりと古典的なよくある間違いです。
(ただし「租税回避」と「節税」については線引きが曖昧な部分もありますがそちらは別記事で。)
よくある間違い②「節税」すればお金は増える?
一義的にいえば、「節税」でお金は増えるはずです。税金が減りますし。
ただし一般的な節税は「○○を支出したとき」や「○○の支出が増加したとき」
に税額を減らす、といった支出条件が付いていることが多いです。
その「減った税額」と、「○○の(増加した)支出金額」が
どちらが大きかったか?ということを意識している人は、意外と少ないものです。
その時点では特別な支出がなくても節税できるものはありますが、
(例:損失の繰越控除(個人の株式譲渡、法人の欠損金など)、
固定資産の除却(使わなくなったものを台帳から消す)など)
これらも過去の支出・損失を、現在の利益にぶつけるものであり、
全くの支出無しから節税することはできないことが多いです。
次回はこの間違い②について、
具体例などを交えて説明させていただこうと思います。