年末調整-2 間違ったときにどうなるか

前回、年末調整について書いてしまったので

続きやりますー

 

…の前に、当記事を見ていただく際の心構えについて。

 

以下の内容については、当初記載の内容について、

間違い・提出漏れ・記載漏れに気づいたら、

確定申告によって修正することができます。

申告期限(翌年の3/15)までであれば通常の確定申告で取り戻すことも可能です。

 

逆に、申告期限を過ぎてしまった場合には「期限後申告」「更正の請求」という、

確定申告プラスアルファが必要な手続きになってしまうのでご注意。

 

Ⅰ.配偶者控除等申告書(通称〇配、マル配)

先になぜ「通称〇配、マル配」なのかですが、↓ですね。

右上の黄色いところ、そのまんまです。

f:id:t-uyuki:20191130184543p:plain

これは〇扶、〇保時代からの慣習?みたいなものでしょうかね。

 

さて〇配ですが

この書類では「配偶者控除」「配偶者特別控除」という

所得控除の金額を把握するための情報を書きます。

所得税の計算の仕組みは別記事としますが、ひとまずの理解としては

所得控除の金額×税率の分、税金が減る としてください。

(所得控除の金額の増減=税金の増減 ではないのです)

 

配偶者控除の対象となると38万円の所得控除となりますが、

例えば年収400万円の方でしたら7.6万円(=38万円×20%)の税金が減ります。

 

なお配偶者控除を受けられるのは↓の条件の人です。

・配偶者の所得が38万円以下(給与収入で103万円以下)

・自分の所得が1,000万円以下(給与収入で1,220万円以下)

 こちら目安金額周辺の方は、

正確な所得金額を誰かに聞いてでも把握しておいたほうがよいと思います。

 

 ※ただし配偶者特別控除という所得控除により、

配偶者の所得は130万円以下であれば税金・社会保険の負担は変わらないのです。

この辺りをかなり複雑なので別記事にて!

 

Ⅱ.保険料控除申告書(通称〇保、マル保)

〇保は、書きやすいのですが、書き間違いのケースが多いです。

以下、内容ごとにまとめます。 

 

<生命保険料控除・地震保険料控除>

記載漏れもたまにあるものの、その分間違いも多いです。

ただし証明書を添付いただければ大抵は経理担当者で気づくので大ごとにはなりません。

担当者レベルで気づきにくい注意点は2つ。

1:「直近で中途解約した」or「年末までに中途解約の予定がある」という場合。

「~発行日までの金額」「年間の予測金額」と二つかいてありますので、

解約などの予定がなければ「年間の予測金額」を書くのが正解です。

会計事務所サイドで年間にしちゃうこともあります笑

ただし先ほどのどちらかの場合、

年間の予測金額を書いてしまうと誤りになってしまいますので

今年解約しますよ、など書き添えておくと良いですね。

2:初年度に出し忘れないこと。

昨年出していたが、今年出し忘れた場合には、

経理担当者が気づいてくれることもあります。

しかし初年度は誰も気づきようがありません。

今年加入した生命保険・地震保険がないか、確認してみましょう。

 

社会保険料

国民健康保険国民年金保険の自己負担額を書きます。

こちらは支払額=控除額なので金額誤りは少ないですが

下記2つの間違いパターンがあります。

1:初年度の出し忘れ。

こちらは上記の生命保険・地震保険と同じですが、

①パート・アルバイトで②それなりの収入があり

③扶養されていない(一人暮らしなど)

上記3要件を満たす場合には忘れがち。

また近年ではiDecoの掛金などもこちらに入ります。

加入時は得なんだなーと思っても、申告を忘れては意味がないのでご注意。

2:自分が負担していない場合。

例えば、同居の配偶者さんの支払いについて。

 

よくあるケースは「所得の多い方に夫婦の金額をどちらも記載する」という方法。

なぜなら所得の多い方であれば税率が高い⇒所得控除の効果が大きいから。

↑のことは経理担当者で気づきやすいので聞いたことのある方もいるかもしれないです。

この際に所得の少ない方でも記載してしまうと、二重で控除されてしまう

→世帯で所得控除しすぎの為、追加納税を求められるので注意です。 

 

Ⅲ.扶養控除申告書(通称〇扶、マル扶)

〇扶についてはまず二つのポイントを。

 

1.扶養の対象になるかどうか(所得制限など)

配偶者控除と同じく、扶養とする家族の所得は38万円以下でないと対象になりません。

・子供を扶養とする場合

アルバイトの稼ぎ(給与のみ・学生ならば130万円以下)を気を付けましょう。

また独り立ちなどで子供が同居していないケースでは

仕送りなどの資金援助がないと生活が成り立たないなどの

場合には扶養としてOKです。逆にそれ以外の場合は難しいと思ってください。

・親を扶養とする場合

親と同居している場合には、年金収入に対する所得計算をしておきましょう。

参考:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1600.htm

こちらが38万円以下となる同居の親がいれば、扶養控除を受けることができます。

 

2.二重扶養になっていないか

例えば下記のようなケース。夫婦や兄弟で同じ人を〇扶に書いていないか気を付けましょう。

・夫婦共働きで稼ぎも同じくらいだったりする場合:子供

・親も兄弟とも同居している場合:親

  

 

前回の内容としては以上ですが、一つ追記しておきます。

住宅ローン控除について。

1年目は確定申告が必須です。本当に適用を受けられるかどうか、物件の情報などを確認する必要があるため。

しかし2年目以降はそのチェックが終わっているため。年末調整で控除することが可能です。

もちろん年末調整にて提出を忘れてしまった場合でも、確定申告で取り戻し可能です。

 

 

最後にまとめです。

何かを始めたとき・何かが変わったときは、必ず昨年と異なる何かをする必要があります。

初めてのことほど慎重に。調べてでも正確に。

 

そしてもし間違えてしまったとき。

間違いに自ら気づいたときには確定申告で挽回できます。次回以降に詳しく。

 

しかい、間違いに気づかなければ、取り返すこともできません。

その代表格が配偶者控除、扶養控除です。

これらは有利規定のため、間違っていれば控除しすぎ=税金減らしすぎの状態ですね。

 

その間違いにお役所が気づいたら、税金計算をしているのは会社ですので、

処理間違いとして会社に連絡が来てしまいます。

その上、この処理間違い、会社が修正するのはかなり面倒なのです。

さらに突然連絡が来るので、想定外の業務としてかなり心証が悪いものです。

 

経理担当者さんから白い目でみられない為にも

記載内容には注意しましょう…

分からなければ、聞くは一時の恥ですので笑 コメント等お待ちしております。

 

また記事文字数3000文字近くになってしまいました。端的な説明って難しいですね。

それでは!