所得税の仕組み-2 <総合課税と累進課税>為替で少しでも税金減らしたいなら?

前回の続きとして、またまた時代の流れにのっていきます。

今回はスーパー円安です。

円安ドル高のイラスト

為替と税金

為替による損益は雑所得になります。

そのため総合所得として、

給与所得など他の総合所得のものと合算後に税率をかけることになります。

※FXは分離課税(株式譲渡や上場株式配当などと同じ)なので、

 これから書いていく節税方法はできないものになりますのでご注意ください。

 (前回予告の趣旨に間違いがありましてすみません)

 

外貨使用・外貨変換…思わぬ「為替差益」に注意!

ではそもそも為替による損益とは何でしょう?

典型的は100円=1$のとき10,000円で買った100$を、

150円=1$のときに15,000円に戻すことで得られる5,000円のことを差します。

株式投資と同じ感覚ですね。

 

気を付けなければならないのは以下のケース。

・ドルを使う場合

・ドル→ユーロ他に転換

これらは株式投資と違って利益を確定させるという感覚がないところに

注意が必要なケースです。

 

例えば、100円=1$のとき100万円で買った10,000$を、

150円=1$のときに150万円相当の米国株式を買ったとします。

 

このとき米国株式の取得価額(原価)は150万円となって、

円→ドル変換は100万円の価値だったものが、50万円価値アップされたと考えます。

<仕訳イメージ>

ドル購入時:米国預金100万円/日本預金100万円

米国株式購入時:米国株式150万円/米国預金100万円、為替差益50万円

 

為替差益課税を少しでも減らす方法

ここで所得税を減らす方法ですが、所得税の仕組みとしては

利益確定タイミングを調整するという方法があります。

 

例えば、今年の収入>来年の収入、となることがわかれば、

今年は為替差益を発生させない(=利益確定させない)ほうがよい。

なぜかというと、雑所得は総合課税=累進課税のため。

 

今年の所得が1000万円、来年500万円であれば

税率差は13%あるので、50万円の為替差益であれば6.5万円の差額。

 

ただ気を付ける点がいくつかあります。

1つ目は損益通算後・所得控除後の金額で税率判定を行うこと。

医療費控除やふるさと納税を大量に行ったり、すでに行った人は

比較の仕方に注意しましょう。

 

2つ目は為替差損では調整できづらいという点。

雑所得は、雑所得としか損益通算ができないため調整効果を生み出しづらい。

なので為替では損切りは慎重にされた方が、税金的にはイイと思います。

(とはいえ損切りは投資判断としては重要ですが)

 

 

少し長くなりましたが、

所得税の仕組みのうち「累進課税」というものが税金にどう影響するか、

分かっていただけたら幸いです。

 

次回は間違ったときなどの罰金についてです。