所得税の仕組み 1-2 <所得の種類と計算方法>競馬の発展を考えるなら別視点のほうが。

今回はこちらの続きとなります。

t-uyuki.hatenablog.com

一時所得と雑所得の課税の仕方について 

一時所得か、雑所得かについては、競馬以外にも揉めるケースはありそうです。

今回の議論だけを見ると「雑所得にしてほしい」となってしまいますが、

実は一時所得のほうが恵まれてる部分もあります。

 

なぜかというと

・一時所得には特別控除(50万円)がある

・一時所得は、1/2だけ課税される

というルールがあるため。

例えば1,000万円当たったとしても、(1,000万-50万)/2=475万円のみが課税対象、

これに住民税込みの最高税率55%課税されても270万円弱。

 

これは「たまたま」「一時的に」もらえた1,000万円と、

「継続的に」「毎年」手に入れた200万円×5年分とでは、

長い目で見ると、前者の方が価値が低いものであると考え、

課税の面でも優遇してあげましょう、という背景があります。

(1,000万円は5年後にもう一度取得できないかもしれないですが、

毎年の200万円は、その後も概ね取得できるであろう、ということ)

 

そして、既に税制として優遇している分、一時所得の経費として認める範囲は

他の所得よりも非常に狭く、以下のような考えになっています。

その収入を生じた行為をするため、または、その収入を生じた原因の発生に伴い、直接要した金額に限ります。

No.1490 一時所得|国税庁

はずれ馬券は収入とは紐づいていないので「直接要した金額」に含まれない、

というのが現在の法令認識となっています。

 

競馬は「一時的」か、「継続的」か?

このように、その収入自体や、その収入を得るための行為が

「一時的」なものか「継続的」なものか?というところが今回の争点です。

 

一般的な競馬競輪「ファン」であれば、競馬競輪は「遊び」であり、

その遊び代の一部である「はずれ馬券」が経費にはならないかと思います。

(要は「やめればいいじゃん」と言われるようなレベルであれば

無理なのでは?ということです笑)

 

ただし競馬競輪での稼ぎを「生業」としていると認められれば

はずれ馬券も雑所得と認められる可能性は十分にあります。

過去には競馬の予想・分析に使ったPC等々含めて経費認定されているケースもあり

実際のところ、どう判断されるのか?という点は注目でもあります。

 

二重課税問題は別の論点として重要

さらに「はずれ馬券」すなわちJRAの売上の一部は国庫納付となるようです。

国庫納付を通じた貢献(社会とともに) JRA

 

これが二重課税なのでは?ともいわれていますが、

個人的には二重「課税」ではないと考えてはいます。

 

ただし「なぜ国庫納付が必要なのか」については議論の余地がある気がします。

一応↑のHPでは4分の3が畜産振興に、4分の1が社会福祉に活用となっています。

例えばこの割り振りをもっと明確に「馬主やジョッキーへの還元」など

「競馬というスポーツの発展のため」に使ってくれるような制度にするなり

理解を得られるような仕組み作りが必要なのではないでしょうか。

 

 

最後になりますが、こんな記事がありました。

とても参考になり、特に「宝くじが非課税な理由」などについては、

今回の論点にもつながるのではないでしょうか?

www.all-senmonka.jp

 

今回は以上です。

競馬の観戦のイラスト

<次回以降の予定>

所得税の仕組み-2 <総合課税と累進課税>FXで少しでも税金減らしたいなら?

所得税の仕組み-3 <附帯税>税金に関する罰金。わざと・無視は止めといたほうが。