消費税を考える-1 本当の「負担者」は誰か?
選挙が近づいてくると、分かりやすい政策が増えてきますね。
消費税減税も、分かりやすい政策の一つですが、
消費税についてはもっと根本的なことを直していかないとダメなんじゃないか?
というのが今回の記事です。
消費税負担における「非課税」と「免税」の違い
「非課税」も「免税」も、本体価格のみが取引金額となります。
例えばこんな感じ。
課税:1,000万円の車両を国内で販売
→受取金額は1,100万円(1,000×1.1)
非課税:1,000万円の土地を国内で販売
→受取金額は1,000万円
免税:1,000万円の車両を輸出
→受取金額は1,000万円
これに対する経費の消費税は以下のような負担者の違いがあります。
課税:110万円支払い車両部品購入→実際は100万円の負担でOK
(納税は100-10=90万円)
非課税:110万円支払い土地購入仲介を依頼→そのまま110万円を負担
(納税も還付も無し)
免税:110万円支払い車両部品購入→実際は100万円の負担でOK
(10万円還付される)
免税は輸出関係に限られていますが、
これは「消費地課税主義」といって、
消費税負担を海外の購入者に影響させないように、という配慮のためです。
非課税取引における消費税の「負担者」
しかし非課税取引では、非課税物品を売る会社は消費税の負担があります。
この負担、本来的には売上に反映させるのは趣旨と異なるのですが、
現実的には一部反映しているという実情があるのです。
この典型的な事象が「医療」です。
消費税増税の時に「診療報酬の改定」という形で、
2%まるごとではないのですが、診療代が増えています。
そもそも消費税の非課税とは
消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引を課税の対象としています。
しかし、これらの取引であっても消費に負担を求める税としての性格から課税の対象としてなじまないものや社会政策的配慮から、課税しない非課税取引が定められています。
でも先ほどの仕組みでいえば、消費税非課税の事業をやっていたり、
非課税物品を買っているはずなのに、
なぜか・どこかで、負担が増加してしまいます。
「消費に負担を求める税」として馴染まない取引にかかわらず、
なぜ増税が影響する仕組みなのでしょうか…?
というところで今回はやめておきます。
次回はもう少し掘り下げてみたいと思います。