消費税の納税義務-2 日本標準産業分類と消費税
前回のブログで、
業種によっては納税義務に注意が必要 と書いてから、気になってきたので
今回は「業種」というテーマで迫ってみます。
業種区分については下記参照しました。
類似の解説になるものはまとめてあります。
解説の前に、1点だけ復習です。
消費税の納税義務は
「2年前の売上が1,000万円以下か、超えたか」
で判定します。なので基本的にはどのような売上があるかがポイントです。
では参りましょう。
A.農業,林業 B.漁業 C.鉱業,採石業,砂利採取業
自然のものを育てたり、採集する業種ですね。
注意すべきものとして想定するものとしては、輸出売上があります。
日本でしか採れないもの、JAPANブランドと呼ばれるものが該当するかと。
輸出売上については、納税義務判定の対象となる売上となります。
非課税売上と同様に消費税は課税されませんが、
課税売上高(納税義務判定に含まれる売上)として取扱います。
上記は制度的な理由もあり、また納税者に有利に働くこともあるのですが、この点は次回以降にします。
D.建設業
建設業界で非課税・免税となる売上はあまり想定されません。
1点ポイントがあるとすれば、工事進行基準という売上計上基準があります。
ここでは詳細には記載しませんが、カンタンにいうと
「今年は想定の40%進捗したから、請負金額1億のうち4千万円を売上計上するね」
ということです。
消費税でもOKとしますという規定になっています。
工事完成基準(工事が完成⇒100%売上という処理)ですと
年間売上1,000万円超・以下を行ったり来たりするケースもあるのでしょうか…
実はその場合にも前年の売上に注意しなくてはいけないケースがあります。
上記についても次回以降に書きたいと思います。
E製造業 F電気・ガス・熱供給・水道業
一時期ブームとなりました太陽光発電事業もこの括り(電気業)になりますね。
上記業種でも非課税・免税となる売上はあまり想定されません。
納税義務で注意すべきなのは、ずばり設備投資にかかる消費税の還付です。
課税事業者選択、課税期間の短縮、簡易課税etc…
特に設立初期・投資タイミングにおいては選択肢は多いです。
G情報通信業 H運輸業,郵便業
この業種では顧客の海外とのやり取りをお手伝いするような場合には留意が必要。
国際電話・運輸・郵便は輸出売上となります。
後述しますが、国際取引がメインとなる場合には、納税義務ありが有利なケースも。
I卸売業,小売業
卸小売では輸出売上の発生も想定されますが、
他の業種にはあまりない論点として棚卸にかかる消費税という論点があります。
棚卸となった(売れずに残った)商品は会計上原価となりませんが、
消費税では購入した時点で原価になるイメージです。
※8%時代にまとめ買いして、決算が10月以降でも原価となるのは8%のみですのでご注意。
大量仕入によるコストカットは常套手段ですが
消費税納税資金が足りない!ということにならぬよう注意が必要になります。
と、書き連ねていたら長くなってしまいました。
続きは次回以降です。
暑くてダウン気味でしたが、書いた記事からネタを思いついたりなど
少しづつネタ消化しないとな…と思えてきています。
それでも間あいちゃいましたが(^_^;)
今後ともよろしくお願い致します。
(2020/9/1一部修正)