賞与(ボーナス) 額面と手取りの話
さて、そろそろ冬のボーナスシーズンですね。
(私は春に年一回払いなので関係ないのですが…)
↑の記事を見て、「みんな結構もらってるな」「いや、うち意外ともらえるな」
どう感じたでしょうか?
こちらのコラムでも書いてありますが、
記事で書かれているのは「銀行に振り込まれる金額」いわゆる手取り額、ではなく
「源泉税などをマイナスする前の金額」いわゆる額面額となります。
では、額面額から何がマイナスされて手取り額となるのでしょうか。
ボーナスから控除されるもの
おもに下記の2種類になります。
源泉所得税
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2018/data/15-16.pdf
この計算表に当てはめて計算することとなるのですが、
これを見ただけで計算できる人はあまりいない(苦笑)ので、
事例で説明していきます。
<必要な情報>
前月の給与(額面から社保控除後):300千円-47千円=253千円
扶養家族:0人
※扶養家族の考え方は次回以降に解説しますが、
子供がいる=扶養家族がいるではない点にご注意ください。
<税率の算定方法>
1.人数が書いてある行の「0人」を探す(例題では一番左の列)
2.前月給与が、「0人」の列のどの金額範囲になるか探す
(例題では252千円以上300千円未満なので、上から4番目)
3.2.の範囲の左側の税率が賞与から控除する源泉税率
→例題では6.126%となりました。
社会保険料
給与明細上、↑の項目ごと・社会保険料計のどちらも記載されているかと思います。
地域や業種によって若干差異があるため、
ざっくりですが合計では下記のような料率となります。
40歳未満の場合:14.4% 40歳以上の場合:15.3%
社会保険料のほうが、金額に対して一律同率ですので求めるのは簡単ですね。
※保険料には上限があり、多額の賞与の場合には↑の率となりませんのでご注意ください。
上記2つの率を合わせると約20%。
したがって、額面金額の80%程度が手取り額となりました。
最初のコラムどおりでしたね。
したがって、賞与を交渉したいな…と思った場合、
30万ください!と言ってOKだとしても、
振り込まれるのは25万以下に減ってしまいます。
この点、ボーナス入金をがっつりアテにしている人は注意しましょう。
今回は制度面の解説だけですが、
次回以降、賞与の支給回数による損得や、
年末調整について触れていきたいと思います。
2021/5/9
賞与に係る社会保険料の上限について追記
その他目次追加、リンク表示の修正、行替え等の軽微加筆修正等