所得税の仕組み 1-1 <所得の種類と計算方法>競馬のはずれ馬券の考え方
最近、競馬と税金が話題になってますねー。
専門家的には、はずれ馬券が経費には「正直ならないかな」と侮っていましたが…
まったく問題点がない訳でも無いのかなとも思い、まとめてみました。
所得税は10種類の所得区分がある
所得税の計算は、まず、個人が受け取ったお金を
↓の10の区分に分けるところからはじめます・
見慣れないものもあるかと思いますが、
普通のサラリーマンは「給与所得」しかないですし、
不動産を持っていれば「不動産所得」や「譲渡所得」、
株式投資であれば「譲渡所得」や「配当所得」などコトバ通りのものが多い。
さらに医療費控除やふるさと納税は「所得の区分」とは余り関係がないので、
それ以外の所得区分は通常使わない、必要のない知識ともいえます。
所得ごとの課税の考え方
では、なぜ所得区分がこんなにあるのか?といえば
全部一緒くたにすると課税の弊害があるから、
というのが端的な答えになります。
最も多くの人がかかわる「給与所得」ですが、
これには給与を稼ぐには、これ位の経費がかかるであろうという
「給与所得控除」という規定があります。
所得税-2 共働きと1人稼ぎ 給与所得控除とは - 素朴な税務ブログ by yui好き税理士(仮)
原理原則としては、
「給与収入」から「それにかかった経費」を引いた差額に課税したい。
ただし、全国民に「それにかかった経費」を計算して申告させることは、
管理側(国税側)も大変。
なので、収入見合いで「ざっくりこれ位の経費」としましょうということです。
一方で事業をやっている方々は、
通常であれば「収支表」いわゆる決算書をつくっているわけであり
収入-経費=所得、という計算が比較的カンタンにできるため
ざっくりではなく、原則通りの課税をしているということになります。
一時所得と雑所得の違い、そして競馬はどうなる?
では競馬の払戻金は何になるのでしょうか??
ここが昨今話題となっていることの論点になります。
国税庁側は「一時所得」を主張しています。
もはや↑で一時所得の例に競馬や競輪の払戻金と書いてしまってますね笑
ポイントはふたつ。
A:営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得
営利目的であれば不動産所得、事業所得などになります。
B:労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない
一時の所得
労務や役務の対価は給与所得、資産の譲渡であれば譲渡所得となります。
ちなみに宝くじの当選金などは、
まさに一時所得の定義に当てはまるものなのですが、
別の規定により非課税になっています。
一方で納税者としては「雑所得」を主張しています。
雑所得とは「他の9種類の所得区分には当てはまらないもの」です。
年金や、いわゆる副業の収入などが当たります。
では、なぜ「雑所得」になると主張したいのか?
少し長くなりましたので、この辺りで続きは次回としたいと思います。