節税とは何か?-2 その節税は誰のため?何のため?
前回、節税でお金は増える?という見出しを付けました。
節税すべきかの判断について
では、節税策をとるべきか否かをどのように判断すべきか。
それには二つの視点があると思っております。
将来の収入UP or 費用downにつながるか
設備投資関係の税制はこれでしょう。
1,000万円の設備を5%税額控除があるからといって急いで買ったとしても、
通常時と比べて50万円税金が減るだけですので。
必要があるタイミングで買わないと、使っていない期間の経年劣化で
損したりし、もう少し待ったら値引き交渉できるかもしれません。
(逆に税額控除特需を狙って値引きしてくれたら万々歳ですが笑)
賃上げ投資税制も、いずれ人材が必要となるのであれば、
税額控除できるタイミングでやっておく=将来の費用を減らせる、
とか、税額控除をとるために賞与を上積みする=人材流出を防ぐ、
といった費用down効果を見いだせる節税であれば意義があるでしょう。
生命保険の節税なんかは将来の収益面を検討すべき、典型的なものになります。
(生命保険は内容が深くなりすぎるので別記事にします)
控除するための手間がかかるか
先ほどの見出しは収益面だけでしたが、
税制にはもう一つの落とし穴としての「申告」が必要となります。
賃上げ税制は、改正前までは「継続雇用者」といって、
当期・前期のすべてに給与があった人をピックアップして集計が必要で
税理士など集計側からは評判の悪い税制でした笑
(改正で中小企業であれば単純に当期・前期の給与比較すればよいだけになりましたが。
継続雇用者の考え方も二転三転したりで本当に嫌です笑)
税理士としては調査リスクもあるので、
集計をやる場合には申告報酬に上乗せしたりもします。
自社で集計するとしても、コスト面の問題は中々避けづらい論点です。
機械等の税額控除についても、事前にその機械が税額控除の要件を満たすものか?
の確認資料や、投資計画資料の準備が必要なケースが多々ありますので、
節税効果とコスト面とは必ずセットで確認すべき論点といっていいでしょう。
その最たるものが組織再編や連結納税による欠損金控除、かもしれませんね。
節税は「オマケ」か「ダメ元」程度に思っておくとよい
このように節税にはさまざまな支出がつきものです。
節税できて有意義か?の検証については、先述記事のLTV分析をおススメしようかと
思いましたが、それこそ手間だな?という…
(例えば機械を買う位の規模感なら既にしてると思うが、PC買う位では手間コストのほうが高い)
なので節税は、「できたらラッキー」のオマケ程度に考える方が、
返って要らないコストやリスクを防げるのではないかな?と思ってしまう次第です。
今回は「節税」をメインにしましたが、次回は「脱税」「租税回避」について、
そしてそのリスクや税務調査について触れる予定です。
また見出し内に出てきた各制度についてもそのうち別記事したいと思います。
よろしくお願いいたします。